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安全注意はどう書けばいいのか|テクニカルライティングング~その22~

具体的に安全注意をどうマニュアルに記載すればいいのかを説明します。

 危険レベルを明確にする!

安全注意事項を「危険、警告、注意」にレベル分けし、
やってはいけないこと」「必ずやること」を明確に記載してください。

    

他の文章よりも目立つように(太字・囲み・下線など)記載します。
安全注意のレベルは、次のように分類されます。

  • 危険
    危険が回避されない場合に、その結果、重傷もしくは死に至る可能性が高い箇所の、安全メッセージおよび警告銘板に使用します。これらの安全メッセージには、危険を回避するのに講じなければならない予防措置が含まれます。
  • 警告
    危険が回避されない場合に、その結果重傷もしくは死に至る恐れのある危険な状況が、潜在する箇所の、安全メッセージおよび警告銘板に使用します。これらの安全メッセージには、危険を回避するのに講じなければならない予防措置が含まれます。
  • 注意
    それが避けられなかった場合、けがの発生または機械の重大な破損に至る可能性のある状態を示します。
  • 禁止事項
    してはいけないこと
  • 強制事項
    必ずしなければならないこと

    f:id:openup21:20210919134845j:plain絵文字も文章と共に記載するとよいです!

警告ラベルについても記載する!

マニュアルに警告ラベルの種類や位置に関しての記載をしてください。
その際は、下記の注意事項を記載します。

  • 警告ラベルは大変重要ですので、損傷したり、取り外したりしないこと。
  • 警告ラベルは、ハッキリと見えるようにいつでもきれいにしておくこと。

  • 警告ラベルが剥がれたり、紛失したり、読みにくくなったらすぐに当社に連絡すること。
    ※警告ラベルの記載

    f:id:openup21:20210919134223j:plain

【注記】
サインや文字の大きさは、危険な箇所から適切な距離を確保した位置から識別できることが必要です。

【注記】
図記号、ISO7010、ISO7001、ISO7000などに規格されていますが、確実にその意味が伝わるデザインであれば許容されています。

目次構成:消費生活用製品(民生品)
  1. 表紙
  2. 重要事項説明
  3. 商品説明
  4. 各部の名称
  5. 安全上のご注意(危険、警告、注意)
  6. 使用方法(組立方法、取付方法)
  7. お手入れの仕方
  8. 故障かなと思ったら
  9. 修理の窓口
  10. 保障規定
  11. 製品仕様
  12. 責任主体表示
    お手元にある家電製品のマニュアルをご覧ください。

目次構成:工業用製品(産業機械の例)

工業製品(特に産業機械)のマニュアルは、製品の特性上、安全に関する注意事項が多く記載されます。製品によって異なりますが、下記の構成が基本です。

  表紙
  はじめに
  機械の使用目的
  作業資格について
  機械の廃棄に関して
  仕様銘板位置について
  1章 安全に関する注意事項
  2章 据付
  3章 操作
  4章 プログラミング
  5章 保守

マニュアルの冒頭部に安全情報をまとめてください。

その内容は、下記です。

  • 全般的な安全注意事項
  • 作業別の安全注意事項(設置、準備、操作、保守など作業項目別)
  • 危険区域に関する情報
  • 安全機器に関する情報
  • 警告ラベルに関する情報
  • 残留リスクマップとリスク一覧

そして、冒頭の記載と重複しても各項目に安全注意事項を記載してください。

記載が必要な項目

下線の項目は、特に記載が漏れないように注意してください。

  • メーカー名、製品ブランド名、バージョン、型番
  • 発行日
  • 耐用年数
  • 使用する前に熟読すること、保管義務
  • 製品供給者の名称、住所、連絡先
  • サービス拠点の住所、連絡先
  • 外形寸法、質量、容量、容積など
  • 性能データとその測定条件
  • エネルギー消費量(消費電力など)とその測定条件
  • 騒音、ガス、放射線、その他の排出物の量とその測定条件(必要な製品のみ)
  • 保護衣やゴーグルの装着など人身保護に必要な情報(必要な製品のみ)
  • 製品を使用するための準備に関する情報
  • 開梱の手順(梱包材の取外しなど)と梱包材の廃棄に関する情報(必要な製品のみ)
  • 設置や組立に関する情報(必要な製品のみ)
  • 輸送のための再梱包の方法(必要な製品のみ)
  • 無資格者による操作(使用)の制限
  • 想定される使用目的のための正しい使い方
  • 想定される使用目的のための安全な使い方
  • 合理的に予見可能な誤用に関する警告
  • 人身保護のための情報(必要な製品のみ)
  • 廃棄物の取扱(必要な製品のみ、掃除機のごみの取り扱いなど)
  • ユーザーによる保守及び清掃に関する説明
  • 故障診断と修理に関する情報
  • 代理店、販売会社および製造者によるサポートに関する情報
  • ユーザーの安全及び健康に関する情報
  • マニュアルの冒頭部に安全情報がまとめられている
  • やっても良いことと良くないことが明確に指示されている
  • 使用時の環境への影響に関する説明
  • 製品の廃棄方法に関する説明

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