ビジネスで重要なのは、伝わる文章を書くことです。
小学校、中学校、高校で12年間も国語を習いました。
誰もが日本語で文章を書くことができます。
でも、正しく伝わる日本語が書けない人が少なくありません。
だからでしょうか、文書の書き方に関する多くの書籍が出版されています。
大人が書く文章はわかりにくい理由は、
社会人生活の中で、語彙力が高まるからだと言われています。
お役所言葉などは典型です。
可及的に速やか、善処する、鋭意努力する、
どれもあいまいです(汗)。
具体的に何を、いつまでに、どのようにするのですか?
(読む気にならない文章がたくさんあります)
この記事では、少し違う視点、テクニカルライティング技法を紹介します。
テクニカルライティングとは
テクニカルライティングとは、取扱説明書の原稿を書く仕事です。
WEBライティング、ブログライティングとは全く違います。
読み手の興味や購買欲をかきたてるための手法は、必要ありません。
読み手は、製品を買った方です。
正しい情報をわかりやすく、誤解され愛用に書くことが重要です。
むずかしいことは何もありません。中学生の国語力があれば、誰でもできます。
でも、ビジネス文書にも役に立ちます。是非、参考にしてください。
テクニカルライティング技法のコツ10選
1番のコツは、短く書くこと!
長い文章は、係り受けが複雑になり、誤解を招きやすくなります。
短い文章は誤解を招きません。
1文の長さを40~50文字以内の短い文章で書きます。
そして、誤解されないために、いくつかのコツがあります。
コツ1:1動作1手順で書き、動作と結果を分ける
自然と1文が短くなり、読みやすくなります。
[原点復帰]ボタンを押すと、X軸、Y軸、Z軸が原点復帰し、【原点復帰】完了ランプが点灯し、表示灯の緑色のランプが点灯します。
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1.【原点復帰】ボタンを押します。
・Ⅹ軸、Y軸、Z軸が原点復帰します。
・【原点復帰】完了ランプが点灯します。
・表示灯の緑色のランプが点灯します。
ビジネス文書でも、何かの手順を書くときに意識してください。
驚くほど効果があります。
コツ2:一文一義で書く
一つの文には一つの内容で書くとすっきりします。
自然と1文が短くなり、伝わりやすくなります。
週末に予定されいるイベントについてですが、もし雨天の場合は中止になりますので、その際には、当日の午前9時までにメールでお知らせします。
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週末に予定されているイベントのお知らせです。
雨天の場合は、中止となります。
その際には、イベント当日の午前9時までメールで連絡します。
スッキリ伝わる!
コツ3:箇条書きを活用する
箇条書きを使えば、自然と1文が短くなります。
再生するときは、【再生】ボタンを押します。停止したいときは【停止】ボタンを押し、一時停止したいときは【一時停止】ボタンを押します。早送りしたいときは【早送】ボタンを押し、巻き戻したいときは【巻戻】ボタンを押します。
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ボタンの機能を説明します。
【再生】ボタン :再生を開始します。
【停止】ボタン :再生を開始します。
【一時停止】ボタン :再生を一時停止します。
【早送】ボタン :早送りで再生します。
【巻戻】ボタン :再生を巻き戻します。
ただし、並列の情報以外に箇条書きを使わないでください。
- 製品Aの売り上げが減少している
- 前年と比べて50%も落ち込んでいる
- 他社の新製品が発売された
- 他社製品の価格が安い
- 他社製品の宣伝広告が多い
これは並列情報ではありません。下記が正解です。
製品Aの売り上げが前年と比べて50%も落ち込んでいる理由
- 他社の新製品が発売された
- 他社製品の価格が安い
- 他社製品の宣伝広告が多い
コツ4:冗長な表現は使わない
冗長な表現は、高尚に感じている人もいますが、長くなるだけです。
できるだけ普通に書いてください。
一方においては ⇒ 一方
しかしながら ⇒ しかし
しないようにします ⇒ しません
取付方法としては ⇒ 取付方法は
どういうふうに表現するか ⇒ どう表現するか
~することにより ⇒ ~すると
~しなければなりません ⇒ ~してください
~する必要があります ⇒ ~が必要です(~してください)
コツ5:同じ語句はわない
一文内に同じ語句があると読みづらくなります。少し文を変えるとスッキリします。
パラメータの種類は、全部で5種類です。
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パラメータは、全部で5種類です。
設置する場所は、直射日光が当たらない場所を選んでください。
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直射日光が当たらない場所に設置してください。
写真を印刷するときは、専用用紙に印刷してください。
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写真は、専用用紙に印刷してください。
コツ6:読点を上手く使う
読点は文を読みやすくするだけでなく、係受けをハッキリさせる役割があります。
生産性向上に貢献する〇〇〇〇機能と■■■■機能
(貢献するのは両方?片方?)
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生産性向上に貢献する、〇〇〇機能と■■■■機能
(貢献するのは両方)
生産性向上に貢献する〇〇〇機能と、■■■■機能
(貢献するのは片方)
コツ7:否定文は肯定文に置き換える
否定的な表現は、誤解を招きやすくなります。
明確にどうすればよいかを肯定文で書くと伝わります。
画面が表示されいる状態で、メインスイッチを切断しないでください。
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[画面消去]キーを押して画面を消灯してから、メインスイッチを切断してください。
コツ8:「など」を使わない
カミナリ警報が出ている地域は、石川県、福井県、富山県などです。
もし新潟県に住んでいる方が見ると、など?新潟県も入るの?、と思います。
コツ9:指示語は使わない
文章を短くするために、指示語を使いがちです。
これ、この、それ、その、あれ、あの、彼、彼女、、、
しかし、具体的な語句を繰り返す方がわかりやすいです。
コツ10:修飾語少なくする(副詞、接続詞、形容詞を捨てる)
修飾語少なくすると、スッキリして、大事なことが伝わりやすくなります。
とても青い空の下に立山連峰の山々が勇壮にそびえています。
そして真っ白な雪がその山頂付近に、まるでお化粧のように積もっています。
山頂付近の気温は、おそらくマイナス10度以下の極寒の地です。
⇓ (副詞、接続詞、形容詞を削除)
空の下に立山連峰の山々がそびえています。
そして雪が山頂付近に積もっています。
山頂付近の気温は、マイナス10度以下です。
おわりに
テクニカルライティングでわかりやすい文章を書くコツは、驚くほど少ないです。
普通に日本語ができれば誰でもができるはずです。
しかし、ビジネス文章と同じで、できないライターが多くいます(汗)。
指摘されると、こんな反応です。
「知ってはいたのですが」「うっかり忘れていました」「時間がなかったので」
コツを紙に書いて、文書を書く前に目を通す!
これを、1か月も続ければ、身に付きます。
悲報!
これをしないテクニカルライティング3級合格者、多くが実践できていません!
伝わらない文章、読む気にならない文章を書いていると、評価されません。
文章力はビジネススキルの基本です。
こんな学びをおススメします。
伝えるための技術文書作成講座(実践指導付き) (3か月)
技術者が“相手に伝わる”技術文書、
これを作成できる能力を身につけることが狙いです。
取扱説明書以外にも、さまざまなドキュメントを書く機会があります。
打合せ報告、出張報告、セミナー参加報告、企画書、提案書など、、、
PCソフトの充実、社内テンプレートなどで、
ドキュメント作成は、以前よりも簡単になっています。
しかし、意味不明、内容がわかりづらいドキュメントも増えています。
技術文書は、個人のものではなく、
会社の共有情報として認識し作成することも大切です。
丁寧な添削指導も、3回受けることができます。
仕事力がアップする「速脳速読トレーニング」(2か月)
速読ができると、多くの仕事の場で役立ちます。
速読は、処理能力、記憶力などのさまざまな脳機能を向上させます。
脳のワーキングメモリの速度が上がり、思考や決断が速くなります。
速読教育で実績がある(株)SRJ(日本速脳速読協会)が提供する講座。
「速読トレーニング BIZSOKU」は、
PCを使って速読プログラムを実践しながら学習します。
速読の理論からトレーニング・右脳を鍛えるゲームまで、楽しく学べます。
100%伝わる「企画書・提案書の作り方」(2か月)
企画書・提案書を作成する能力が、重要視されています。
企画書を作り、提案する力があれば、大きなメリットがあります。
重要なプロジェクトを立ち上げることもできます。
商品の売上を伸ばすこともできます。
企画書で最も肝心なことは、相手にきちんと伝わることです。
しかし、ポイントを知らないと、的確に文字や図として表現できません。
魅力があって「稼げる・儲かる」企画書が作成できるようになります。
添削による企画書作成レポートで、実際の企画書を作成します。
(任意提出)